にんにく*FAQs
にんにくについて、よくある質問をまとめてみました。
にんにくの歴史
原産地は中央アジアと推定されていますが、正確な情報はありません。有力なのは中央アジアのキルギスという地域と言われています。それがエジプトに伝達されたという説が有力視されています。
古代エジプト
古代エジプトでは、およそ6000年~7000年前には既に栽培されていたと推測されています。
紀元前3750年頃、当時築き上げられたとされるピラミッドの中からにんにくをかたどった粘土が発掘されています。
ピラミッドはにんにくによって作られたというのは有名な話で、ツタンカーメン王墓からはにんにくの鱗茎が完全な状態で6個発見されています。ピラミッドの壁画ににんにくを食べる労働者の絵も見つかってもいます。紀元前5世紀のギリシャの歴史家であるヘロドトスは、古代エジプトでピラミッドの建設に尽力した労働者たちは、疲労回復やスタミナをつけるために毎日にんにくを食べていたと記しています。また、にんにくは貨幣としての役割も果たしていたようで、賃金の一部もにんにくで支払われていたという記録もあります。
にんにくが積極的に活用されたことが窺われます。
また、紀元前3200年頃には古代エジプトなどで栽培・利用されており、現存する世界最古の薬物治療書(紀元前1500年以前に書かれたとされる)『エーベルス・パピルス』には薬として記載されています。
ニンニクを食べる労働者の絵
古代バビロニア
紀元前600年頃、首都バビロンに作らせたといわれている空中庭園で、にんにくの栽培が行われていたことを記述した粘土板が発掘されています。
にんにくの栽培を記述した粘土板
古代ローマ
エジプトから地中海を経てギリシャに伝わり、ヒポクラテスがにんにくの利用を薦めたと言います。
古代ローマ時代になると周辺の国々を征服するため、にんにくは遠征に出かける兵士たちの体力維持に欠かせない野菜となっていました。ローマ人は領土を広げるたび、その地ににんにくを植えていったと言われています。
古代インド
古代インドの医学書「アーユルベーダ」には、「にんにくは体に役立つ滋養食」との記述があり、消化管・心臓・呼吸器に対するにんにくの効用が記載されています。
にんにくは古代インドから古代中国へ中国には紀元前140年頃伝わり、、古代中国より朝鮮半島に伝わったようです。 中国では、病気の治療に施す万能薬として使われていましたが、精力がつきすぎて人間の心を乱し、魂を失わせることがあるため、中国の僧侶はにんにくを断っていました。
日本に伝わったのは奈良時代で、918年の「本草和名」には日本最古のにんにくの栽培に関する記述があります。しかし、その臭いが嗜好に合わず、食用というよりは主に薬用として食べられていたようです。『古事記』や『源氏物語』にもにんにくの記述が見られます。日本ではも仏教の伝来とともに、強壮作用が煩悩(淫欲)を増長するとされ僧侶にはにんにくを食べることを禁止していました。
デザイナーフーズ計画
1990年にアメリカ国立ガン研究所(NCI)が中心となって、新しい栄養療法の研究を行いました。『デザイナーフーズ計画』というもので、健康を維持している人の食生活などを調査し、さまざまな食品成分の摂取によって、体にどのような機能が果たされるかを科学的に解明する国家的なプロジェクトです。
その疫学調査や研究の結果、下記のピラミッド図が作られました。上位に記載されている食品ほど、健康維持への重要性が高いと考えられます。
日本でも、同様に研究が進んでいますが、ヨーロッパで最も心臓の病気の患者の比率が高いフィンランドでは、公的機関が予防のために「運動」、「体重管理」、「脂肪の最適な摂取」、「喫煙のコントロール」とともに「ベネコル」 などのデザイナーフーズを薦めています。
デザイナーフーズ計画